SharePoint 2013 による自由自在ブレンド検索


前回のバーティカル検索 (垂直検索) に並んで「ブレンド検索 (Blended Search, ユニバーサル検索と呼ばれることもあります)」と呼ばれる、一つの検索結果画面に複数の情報が得られる機能がインターネット検索の世界では当たり前になっています。
Bing では、有名人の名前で検索した際に、画像や動画の検索結果や広告をブロック化して表示している機能のことです。

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インターネット検索に関する少し前 (2008年) の調査ですが、バーティカル検索よりもブレンド検索による検索結果の方が、かなり多く参照される傾向にあるとのことで、非常に重要なものと言えるでしょう。

iProspect: Blended Search Resulting In More Clicks On News, Images, And Video
http://searchengineland.com/iprospect-blended-search-resulting-in-more-clicks-on-news-images-and-video-13708

SharePoint 2013 では、「クエリ ルール」と呼ばれる機能によってインターネット検索でのブレンド検索以上の機能と管理性を提供します。これによって、検索結果をエンド ユーザーの希望に応えるものとし、結果として検索結果の 2 ページ目以降の参照回数を減らし、エンタープライズサーチへのユーザーの満足度を向上し、結果として ROI (= Return on Investment, 投資利益率) の大幅な向上が図れます。

クエリ ルール

クエリ ルールでどのような設定が可能なのかを理解するうために、Search Service アプリケーション (SSA) に対して標準で設定されている内容をいくつか記載してみます。

  • ユーザーが実行した検索クエリが、「ひとの名前」と一致する場合に、検索結果の最上位にひと検索の結果を表示し、検索結果内の適切な位置に最大 2 件のそのユーザーが作成したドキュメントを表示 image_thumb2ユーザーが実行した検索クエリが、色々なユーザによって検索され、検索結果画面から PowerPoint ファイルがよくクリックされている場合に、検索結果の最上位に最大 2 件の PowerPoint ファイルだけを対象とした検索結果を表示
    image_thumb4

前者は、かなりインターネット検索のブレンド検索に近いものですが、後者はエンタープライズサーチ独特のものだと言えるでしょう。
これら標準の例でもわかる通り、他の人が行った検索キーワードの履歴やクリック動作に基づいて、適切と思われるコンテンツ (群) を提示するというソーシャル的な動作を行うように設定することが可能であり、一般的な設定は既に行われた状態となっています。

クエリ ルールの管理

クエリ ルールの管理は、ファーム (= SSA)、サイト コレクションおよびサイトレベルで定義可能です。これは、それぞれの管理を部門や課の人に権限委譲して任せるような場合には、委譲された管理者が任意のクエリ ルールを設定したり、上位管理者による設定内容を上書きすることが可能です。

クエリ ルールには、「コンテキスト」「クエリの条件」「アクション」「発行」が指定出来るようになっています。

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  1. コンテキスト : ルールの適用対象を以下から指定します。つまり、クエリ ルールを適用する検索先・カテゴリ・ユーザーの分類が選択可能です。

    名称 コメント
    ソース クエリ ルールを適用する検索先
    カテゴリ 主に製品カテゴリ機能で利用。ツリー構造を持つページ群のどこから検索した際に適用するか
    ユーザー セグメント 所属部門など、どこに分類されているユーザーに適用するか
  2. クエリの条件 : 検索ボックス内のクエリが該当するべき条件を以下から指定します。他の人が行った検索キーワードの履歴やクリック動作を条件に指定することが可能です。

    名称 コメント
    キーワードに正確に一致するクエリ 検索キーワードが「xxx」の場合に実行
    クエリにアクション用語を含める 「品川 天気」の “天気” のような指定したアクション用語が検索キーワード群の最初または最後に指定されていた場合に実行
    辞書に正確に一致するクエリ [ひとの名前] のような用語ストアの内容に一致する場合に実行
    ソースでよく使用されるクエリ 別途指定した検索先でよく使用されるクエリだった場合に実行
    よくクリックされる検索結果の種類 指定した検索キーワードの検索結果として、指定したコンテンツの種類がよくクリックされている場合に実行
    詳細なクエリ テキスト照合 上記の各条件を詳細に設定するための項目
  3. アクション : ルールに該当する場合に、実行するアクションを指定します。検索結果に含まれないバナーなどの情報、他の検索先からの検索結果ブロックの追加、検索条件を変更した検索の再実施、といったアクションが可能です。

    名称 コメント
    「昇格した結果」の追加 広告やバナーのような検索結果に含まれていない情報を表示
    「結果のブロック」の追加 特定の検索先 (標準ではクエリ ルールを適用している検索先) に対して、元の検索キーワードのまま、元の検索キーワードをベースにしたもの、または任意の検索キーワードによる検索結果の上位数件をブロック化して検索結果の最上位や適切な位置に表示
    「ランク付けされた結果」の変更 元の検索キーワードをベースにして、検索先、検索キーワード、検索結果順序やソート順序などを変更して実行した検索結果に差し替え
  4. 発行 : ルールの適用開始日、適用終了日、任意のレビュー者によるレビュー締切日の指定が可能です。

SharePoint Server 2013 でクエリ ルールを管理する
http://technet.microsoft.com/ja-jp/library/jj871676.aspx

バーティカル検索とブレンド検索のイメージ

バーティカル検索によって、検索対象のアイテムが以下のようなイメージで格納されていると仮定します。

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普通に検索先 A に対する検索を実施すると、以下の通りとなります。

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クエリ ルールを利用した際には、以下のようになります。元の検索結果と比較してかなり変更されていますね。

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